赤ちゃんを寝かせる最適な方法はこれ!

家族の時間

「赤ちゃんを寝かせるには5分間(寝入るまで)抱っこしながら移動、そして寝入った赤ちゃんを抱いたまま椅子に座って5~8分待機したのちに、ベッドに寝かせる。」これが現状のベターかもしれません。

赤ちゃんって寝かせても背中にスイッチがあるかのごとくベッドにおいた瞬間に起きちゃうってことありませんか?うちの子はみんな高性能なスイッチを持ってました(泣)。自分も泣きながらあやしていましたが、最近の論文でまさにその悩みを解決するかもしれない結果が示されました。ずばり、「赤ちゃんを寝かせるには5分間(寝入るまで)抱っこしながら移動、そして寝入った赤ちゃんを抱いたまま椅子に座って5~8分待機したのちに、ベッドに寝かせる。」です。

論文の詳細

原著は理化学研究所のNami Ohmuraさん達がCurrent Biologyという雑誌に投稿した「A method to soothe and promote sleep in crying infants utilizing the transport response」(DOI:https://doi.org/10.1016/j.cub.2022.08.041)。日本の理化学研究所とイタリアのトレント大学とアイルランドのトリニティ大学との共同研究の論文です。Current Biologyという雑誌はあのCellと出版社が一緒の姉妹誌にあたります。2021-2022のインパクトファクターは10.834と結構高いです(リンク)。

実験の種類は介入研究で、生後0〜7ヶ月の乳児とその母親、合計21名の乳児に32回の実験を行っています。実験のほぼ半分はイタリアで、 のこり半分ほどは日本で記録されました。実験は最後の授乳から約1~2時間後に開始し、乳児はまず簡易ベッドに寝かせられ、 ECGホルターが装着されました。電極装着後10分間待機した後、実験を開始。以下4つの課題をランダムに実施

  • WalkHold:母親が乳児を抱いて歩く
  • SitHold:母親が乳児を抱いて座る
  • COT:乳児をベビーベッドに寝かせる
  • MCOT:乳児を移動式ベビーベッドまたはベビーカーに乗せ、前後に移動させる

各課題は30秒(short con-dition)または5分(long condition)でセッション時間の中央値は39分。
つまり、中央値で課題を7回ほどやっているってことでしょうか。

結果の解釈は結構複雑で私には理解不十分ですが、概略としては、乳児が通常起きている昼間でも、5分間のWalkHoldで乳児は睡眠開始に向かう傾向があること。抱っこしての移動といった行為は、覚醒している乳児には鎮静効果を、眠っている乳児には一定レベルの覚醒効果をもたらすという二重の効果をもたらすことが言われていること。今回の実験でも同様の結果が示されたこと。睡眠開始した乳児には、母親が運動をやめることでさらに深い睡眠を促す傾向にあったこと。

まとめ

というわけで、つまり「赤ちゃんを寝かせるには5分間ほど(寝入るまで)抱っこしながら移動、そして寝入った赤ちゃんを抱いたまま椅子に座って5~8分待機したのちに、ベッドに寝かせる。」のがいいかもしれませんってことですね。やみくもに抱っこして歩いててもなかなか寝ないのはそういうことなのでしょうか。今後の大規模な介入研究での実証が期待されます。ついでに幼児のベターな寝かせ方も実験していただけたら有り難いですね。












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